今回見学させて頂いたお客様は7年ほど通われている方で
2年ほど前に左のふくらはぎを怪我してから膝の怪我が続いていました。
はじめは左膝の痛みが出て、それが改善すると
左の膝が圧迫されて後ろに袋が押し出されて
液が溜まる「べーカー嚢腫」になってしまいました。
それが改善されると、今度は右の膝が痛くなり、
右のべーカー嚢腫になりました。
現在はそれも改善しています。
このお客様はいつも急いでる感じがありますが、
お話するのが好きで、沢山お話をしてくれます。
ゴルフが好きでこの日も数日前にゴルフに行ってきた後
のトレーニングだったので、ゴルフと体の調子
を聞くところから始まりました。
「ゴルフどうでした?」「まっすぐ飛んで絶賛された!」
「スコアはどうでした?」「それはいいの」と笑って言いました。
「膝はどうですか?」
「大丈夫!」と膝の不安を吹き飛ばすように言いました。
調子を聞いた後、体の状態を見て「大丈夫そうですね。」
とトレーナーが言いました。
「右膝は?」と聞くと少し気になるようでした。
「ゴルフ今と昔全然違うって言われた。」と嬉しそうでした。
ゴルフの話をしながら、ストレッチポールで背中、肩、胸を
しっかり緩めました。「痛すぎて疲れる」と笑いながら言って、
ストレッチされて苦しそうな感じがありつつもずっと話続けていました。
最初のエクササイズはディップスという
手で支えて、身体を浮かせて肘の曲げ伸ばしで
身体を上下させる動きを行いました。
このエクササイズで胸の筋肉と前鋸筋という肩甲骨からあばら骨に
ついてる筋肉のストレッチに注目しました。
前鋸筋が働くと上がってる肩を下げてくれたり、体の丸みを取ったり、
体幹を安定させることにもつながります。
このお客様は力みやすく、肩も上がりやすく、
背中も丸まっていたためこのエクササイズをはじめに行いました。
回数を重ねるごとに苦しそうでしたが、
セット間は楽しく話して、明るい雰囲気で
お客様もやり切っていました。
トレーニング間にお客様がTVで見たトレーニングの話を
していました。自分でもやろうといていましたが、
トレーナーにそのトレーニングの利点、改善点、そのお客様に
合うトレーニングなのかを話していました。
正しい情報かどうかわかるだけでもお客様は
安心感があると感じました。
次に座位で頭の上から首の後ろにグリップを引く
バックプルというエクササイズを行いました。
これは背骨と肩甲骨を動かすために行っており、
ここを動かすことで猫背の改善につながります。
グリップの幅で背骨のどの辺に効かせるかが
変わってきます。
1セット目はノーマル、2、3、4セット目は狭い手幅で
背骨の上の方を狙って動かしていました。
このお客様はかなり硬く動くまでに時間がかかってましたが
最後にはかなり動きが取れていました。
このトレーニング間にゴルフの時の昼食の話になり、
「アジとマグロの握りずし食べた」というと
トレーナーがゴルフ場のレストランのメニューを確認して、
「良い選択ですね」と言うと
「それくらいしか食べられなかったんだけど」
と言いつつ嬉しそうでした。
トレーニングの途中でもその時の食事も確認し
その時のお客様にとっての最善を考える
そういう事の積み重ねが信頼に繋がるんだと感じました。
次はバーを持って万歳の動きを行うエクササイズを行いました。
これも背骨と肩甲骨を動かすために行い、
先程のトレーニングに加え、さらに背骨を動きやすく
するためでした。
その後はベッドに移動して脚のストレッチを行いました。
お客様の家族の話を楽しそうにしながら
膝下から緩めて、股関節まわりまでしっかり時間をかけて
ストレッチを行い、最後に斜面での開脚と前屈を行い終わりました。
今回のトレーニングで行ったのは上半身のエクササイズと
下半身のストレッチでした。
下半身もエクササイズでも良いように感じますが、
ストレッチをすることがこのお客様にとって重要なことでした。
このお客様は最初に書いたように急いでいることが多く
一番の問題が歩く時も急いでいるのでかかとを浮かせて歩き、
膝や太腿の前側に負担がかかってしまいます。
これが原因で今まで膝を痛めてきたので
動かすというよりも負担のかかってるところを
緩めるためにストレッチを行っていました。
さらに猫背の方が良い姿勢の時より早く歩けてしまうので
それを防ぐためにも上半身のトレーニングで
姿勢を正す必要がありました。
今回のトレーニングはお客様が
楽しそうに話していて明るい雰囲気が印象的でした。
お客様の性格や行動を踏まえてしっかり
トレーニングが考えられており、
話を聞いてもらうと、楽しいし
気になってることも解決するからこそ
お客様も楽しく安心して
トレーニングが出来ると感じました。